再婚に伴う子ども、実親、継親それぞれの悩みと踏ん張りどころ
初婚の夫婦が作る家族と再婚のステップファミリーでは、家族としての始まり方が違うことは周知の事実ですよね。
継親の悩み
初婚の夫婦が作る家族は、子どもとの関係づくりのスタートが夫婦で一緒なので、子育てに関しても、家族に関してもルール作りや文化づくりがしやすいという特徴があります。それに対し、再婚家庭では、一方の親と子どもの関係がもう一方の親との関係よりも前から存在しているという特徴があります。そのため、子どもとのやりとりに関する暗黙の了解やルールがすでに出来上がっている中に新参者として入ってくる親は、アウトサイダーとなってしまうのです。
子どもを連れた親が再婚すると、それまでに築かれた強い親子の絆があるので、子どもは実の親と関わってもらう必要があります。これは、子どもにとって当然の権利であり必要なことです。でも、ここで継親は疎外感を味わってしまうのです。
たいていの場合、継親が疎外感を味わっていることが認識されることは多くはなく、継親は「子どもたちがいると自分は存在していないみたい」と感じるかもしれません。
実親の悩み
一方実親は、実親で愛する子どもとパートナーとの間で引き裂かれるような思いをすることがあります。「どちらも大切にしたいし関わりたいと思っているけれども、どちらかとの関りを優先してしまうともう一方と関わることができない、そもそもどちらか一方かを選ぶということが苦しい。」と感じるかも知れません。
自分は家族のみんなとつながっているという感覚はあっても、それぞれの関係をうまく調整することができないことに自分の無力さを感じることも多いと言われています。
子どもの悩み
子どもは子どもである日突然、自分の意思とは関係なく一緒に住むことになった大人がいて、実親がその人と親しくしている。自分は実親にいろんな話をしたいし聞いてもらいたい。でも、なんだかこれまでとは違って実親と二人だけでという空間ではなくなってしまって自分に注目が向いているという実感が得られない。上手く言葉にできないけど満たされない感じ。
子どもの悩みに関しては、子どもが感じていると思われることを説明したものですが、再婚後に不安定になる子どもの心の中はこんな感じかもしれません。
それぞれの悩みを解消する手立て
まずは、継親、実親、子どもそれぞれがこのような心理状態にあること、そしてそれぞれがそのような気持ちの中で環境の変化に対応しようと頑張っているということをお互いに理解し合うこと。できれば家族でお互いのそういう思いを確認しあったりできると尚良いですね。
この状態は誰かが悪いのではなく、誰のせいでもありません。自分たちがステップファミリーという家族のスタートのさせ方をしているのだということを自覚する必要があります。
そして、この悩みや葛藤は家族が一緒にいるときに一層強まるものです。
そんな時、一対一の時間が家族それぞれの悩みや不満を解消する場となります。再婚した夫婦にも、実親と子どもにも、継親と子どもにもそれぞれが一対一の時間をとることで新しい関係を作ることに役立ちます。