幸せになるための離婚・再婚ガイドブック

離婚、再婚を経験し、現在ステップファミリー歴7年目を迎える管理人が、夫婦、子ども、家族について考えるブログです。スクールカウンセラーとして働く中で感じる、子どもの気持ちについて心理学的視点も交えながら気ままにつづっていきます。

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テレビで観たステップファミリーから考える 親の再婚と子どもの気持ち

先日、ステップファミリーの大家族の生活を覗き見るという番組を見ました。

 
 
両親と子どもが8人の大家族です。子どもは20歳のお姉ちゃんを筆頭に、それぞれお父さんが3人とお母さんが3人ずつを連れての再婚同士です。
 
 


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家族の仲も良く、お父さんお母さんも結婚8年経ってもラブラブでしたが、ただ一人、新しい家族に溶け込めないでいる女の子がいました。
 
 
彼女は、お父さんの連れ子で現在高校3年生。中学3年生の頃には英語弁論大会に出るほど優秀で、すでに大学への進学も決まっていました。
 
 
そんな彼女ですが、兄弟のなかで唯一お父さんとの関係がギクシャクしており、お父さんとの会話がないのです。会話がない、というよりもお父さんを避けているようでした。
 
 
そして彼女の英語弁論の中には『I hate my father』の一文が。
 
 
中学3年から高校3年までの3年間、お父さんは娘さんに嫌われていると思って過ごしていたそうです。しかし、英語弁論の日本語訳を読んでびっくり。
 
 
要約すると、「思春期に父親が嫌いになるのはありがちな感情。自分は父親に対して20点しかつけられない。でも、父親を尊敬している。今まで反抗してきたので父親の前で態度を変えることは私にとって非常に難しい。でもいつか父親に平均点の60点をつけられるような人間になりたい。」というものでした。
 
 
彼女の本当の両親は彼女が8歳の時に離婚。その2年後に現在の家族と再婚されたそう。急激な環境の変化や彼女なりに納得のいかないことがあったのでしょう。
 
 
彼女曰く、「離婚のときはそんなにショックじゃなかったけど、再婚したんだということをちゃんと理解した時にさみしくなったんだと思う」と、当時のことを振り返っていたのが印象的でした。当時の彼女としては、再婚によって再婚相手に父親の愛情が奪われてしまうんではないかということを感じていたそうです。
 
 
いわゆる「取られた」と思ってしまうということですね。
 
 
親がどんなに気を付けていても、日常のせわしさの中では子どもにきちんと伝わっていないことだってあるはず。彼女は、スピーチを読んだ先生の「あなたはお父さんに愛されたいの。違う?」という一言によって、自分の本当の気持ちを認めることができたとのこと。
 
 
それまで彼女が、自分の気持ちを言葉にできず辛い思いをしていたかと思うと親として心が痛みますね。彼女のお父さんもそれを知って彼女に謝っていました。
 
 
 
二人の関係にすぐに劇的な変化が起こるとは思いませんが、少なくともお互いの気持ちを伝え合えたことでこれまでよりはわだかまりが小さくなるのではないかと思います。
 
 
そして、『つたえ合う』という解決方法があるということがわかれば、彼女はこの先、人間関係で躓くことがあっても『自分の気持ちを伝える』という解決手段があることを思い出してくれるはず。
 
 
親としては、子どもが自分の気持ちを整理して伝えられるよう、ゆっくり聞くことであったり、「もしかして○○と思っているの?」と代弁してあげるなど、子どもが『見てもらえている』と感じられるように言葉をかけていきたいですね。